株式会社商船三井 2023年度WEB版中間報告書

 

REPORT 4

ダイビルが札幌で複合ビル開発
地域とともに街創り

札幌ダイビル外観(完成イメージ図)
拡大
札幌ダイビル外観(完成イメージ図)

当社グループは海運業を中心にさまざまな社会インフラ事業を展開する企業グループを目指しています。グループ経営計画「{BLUE ACTION}^{ブルーアクション} 2035」で、海運不況時も安定した利益を上げていくための「ポートフォリオ戦略」を進めており、安定収益型事業、非海運事業を強化しています。その一環で不動産事業の拡大を進めます。

当社グループの不動産事業の中核となるダイビルは2023年、創立100周年を迎えました。国内大都市を中心に計31棟のオフィスビル、ホテルビル、商業ビルを所有・賃貸しています。国内では本社を置く大阪、東京で不動産事業を展開してきましたが、これら2都市に続き、観光資源が豊富で、不動産事業において将来性が見込まれる札幌に進出を果たしました。

2019年に、札幌市民から親しまれてきた商業施設「PIVOT(ピヴォ)」をはじめとする3つの物件を取得しました。その後、「札幌ダイビル再開発プロジェクト」に着手。2023年10月にオフィス・ホテル・商業店舗を備える地上19階、地下2階の複合ビルを建設する計画を発表しました。建物を造るだけでなく、街を創ることを意識し、札幌事業を担当する組織を設置して、札幌市をはじめ地元の方々とのコミュニケーションを密にとりながら街創りを企画してきました。

ビジネスエリアと商業エリアとが混ざり合う大通エリアの立地ポテンシャルを最大限に活かし、オフィス・ホテル・商業店舗の3用途構成による複合ビル再開発プロジェクトを計画。地下から中低層階を商業フロアとオフィスフロア、高層階をホテルフロアとする計画です。2024年6月に着工し、2027年1月末の竣工を予定しています。中核施設の一つとなるホテルには、ウェディング事業国内大手のテイクアンドギヴ・ニーズが手掛けるラグジュアリーブティックホテル「TRUNK(HOTEL)」が入り、2027年春に開業する予定です。

TRUNK(HOTEL) SAPPORO(完成イメージ図)
拡大
TRUNK(HOTEL) SAPPORO(完成イメージ図)

またダイビルは、近年、商船三井グループの海外のネットワークやノウハウを活かしながら海外展開を進めています。既にベトナムとオーストラリアで計3棟のオフィスビルを所有し、賃貸しています。さらにベトナム、オーストラリア、そのほかの国でも新たなオフィスビルなどの開発が進行中です。今後、東南アジアやインドといった成長地域への展開も進める計画です。

ダイビルの中長期経営計画「BUILD NEXT.」では2035年度の税引前利益目標を250億円としており、2022年度の114億円から倍増させる計画です。当社グループは不動産事業を国内外で拡大し、経営の安定性を一層高めてまいります。